舗装を壊さずに景観を変える|撤去不要で使える景観改修工法の選び方

舗装を壊さずに景観を変える|撤去不要で使える景観改修工法の選び方

歩道や公園の景観改修では、既存舗装を撤去するかどうかで工期や費用が大きく変わります。

撤去が必要になると廃材の処分費や運搬費が発生します。ダンプの出入りも増えるため、近隣への影響も避けられません。工期が延びれば交通規制の期間も長くなります。

一方で、下地のアスファルトが健全であれば舗装を壊さずに景観だけを変えられる場合があります。
代表的な工法が既存路面を再加熱して型押し・着色する「再加熱式型押しアスファルト工法(ストリートプリント)」です。

このページでは、既存舗装を活かせる現場の条件、撤去が必要な工法との違い、現地で確認すべき点を整理します。

撤去しなくていい現場は意外と多い

景観を変えるには、舗装を壊して作り直すしかないと思われがちです。しかし、現場によっては既存アスファルトを活かしたまま改修できます。

特に、次のような現場では撤去不要の工法を検討しやすくなります。

  • 駅前や幹線道路沿いなど、交通規制を長引かせたくない現場
  • 夜間施工など、短時間で工事を終える必要がある現場
  • 予算が限られ、撤去から再舗装までの費用を抑えたい現場
  • 下地に大きな問題がなく、見た目を中心に変えたい現場

こうした現場では、既存アスファルトを活かす改修が現実的な選択肢になります。

撤去が必要な工法・撤去不要の工法(比較表)

工法既存塗装の撤去廃材の発生交通規制
インターロッキングブロック必要あり長期
タイル舗装必要あり長期
石畳・ピンコロ舗装必要あり長期
ストリートプリント不要 ※抑えられる短期
スタンプコンクリート条件による条件による中程度

※既存アスファルトの状態が一定の条件を満たす場合に限ります。
※ストリートプリント=再加熱式型押しアスファルト工法

インターロッキングやタイル舗装は、既存舗装を撤去し、下地を作り直してから施工します。そのため、撤去・下地整備・舗装の工程が必要です。

一方、ストリートプリントは既存アスファルトの表面に直接施工します。下地の状態が良ければ、撤去や下地整備の工程を減らせる場合があります。

施工できる現場・できない現場

撤去せずに施工できるかどうかは、表面の見た目だけでは判断できません。路盤、排水、通行条件まで含めて確認する必要があります。

撤去なしで施工しやすい

  • 表層のひび割れが軽微
  • わだち掘れや沈下が小さい
  • 路盤に大きな傷みがない
  • 排水勾配が確保されている

施工が難しい

  • 深いひび割れや亀甲状クラックがある
  • わだち掘れや陥没が大きい
  • 路盤が傷んでいる(表層だけの施工では対応できない)
  • 排水不良で水たまりが常態化している
  • 排水性・透水性アスファルト舗装(コーティングで空隙が塞がれる可能性があり、施工前に要確認)
  • 重車両の通行が多く路盤への負荷が大きい

下地の問題を残したまま表面だけを改修しても短期間で不具合が再発するおそれがあります。
そのため、施工できるかどうかは現地調査で下地の健全性を確認した上で判断します。

再加熱式型押しアスファルト工法(ストリートプリント)の仕組み

再加熱式型押しアスファルト工法(ストリートプリント)は、既存アスファルトを再加熱し、柔らかくなった表面にデザインを転写する工法です。

施工は、主に次の流れで行います。

  1. 既存アスファルト表面を専用機械で140〜160℃に再加熱
  2. 柔らかくなった表面に型押しでデザインを転写
  3. 路面強化着色剤(ストリートボンド)でコーティング

再加熱による劣化を心配されることがありますが、この工法で用いる温度(140〜160℃)は、アスファルトの物性を大きく損なわない範囲です。

施工後はストリートボンドのコーティングが表面を紫外線や酸性雨から保護します。軽歩行であれば短時間で交通開放できるため、夜間施工や早期交

廃材削減・工期短縮・交通規制短縮の効果

既存アスファルトを活かせる場合、撤去を前提にした工事より、発生する工程や費用を抑えられる可能性があります。

  • 既存舗装の撤去費用
  • 産業廃棄物の処分費用
  • ダンプ運搬費
  • 待機車両による近隣への影響
  • 下地整備費用
  • 交通規制の延長費用

撤去範囲が減れば廃材や運搬車両も減ります。周辺への影響を抑えやすく、産業廃棄物の削減にもつながります。

既存舗装を活かせない場合の対応

下地の傷みが大きい場合、表面だけを整えても長持ちしません。その場合は、先に原因となる部分を補修する必要があります。

スクロールできます
部分補修ひび割れや陥没が局所的な場合は、該当箇所だけ補修してから景観改修を行う
路盤補修・打ち換え路盤が傷んでいる場合は、表層だけでなく路盤から作り直す
排水改善排水不良がある場合は、排水対策を先に行う

撤去不要の工法は下地が健全であることが前提です。
既存舗装を活かせるかどうかは、現地調査の結果に基づいて判断します。

ストリートプリントが適しやすい現場

ストリートプリントは、既存アスファルトを活かして景観を変えたい現場に向いています。
特に、撤去工事を減らしたい場所や、交通規制を長引かせにくい場所で検討しやすい工法です。

歩道・生活道路

既存アスファルトの下地に大きな傷みがなければ、舗装を壊さずに石畳調やレンガ調の景観へ改修できます。
短い工期で見た目を変えたい歩道や生活道路に適しています。

駅前広場・商店街

駅前や商店街では、交通規制や歩行者動線への影響をできるだけ抑える必要があります。
ストリートプリントは夜間施工や早期交通開放に対応しやすいため、人通りの多い場所でも検討しやすい工法です。

公園・広場

公園や広場では、景観だけでなく歩きやすさや滑りにくさも求められます。
ストリートプリントは、石畳調やレンガ調の見た目を作りながら、防滑性にも配慮できます。

橋・ペデストリアンデッキ

橋やペデストリアンデッキでは、舗装材の重さや構造条件を確認する必要があります。
ストリートプリントは既存舗装の表面を加工する工法のため、厚みを増やしにくい点は利点です。
ただし、適用できるかどうかは荷重制限や下地の状態を確認した上で判断します。

ストリートプリント適用可否の判断基準

ストリートプリントは、既存アスファルトを活かして施工する工法です。
そのため、施工できるかどうかは表面の見た目だけでは判断できません。
路盤・排水・交通条件を順番に確認し、既存舗装を活かせる状態かどうかを見極めます。

当院での初診から治療の流れをご案内します。

 路盤・下地の状態を確認する

まず、舗装の土台となる路盤や下地を確認します。

  • 路盤に大きな傷みがないか
  • わだち掘れや陥没が軽微か
  • ひび割れが軽微か

路盤に大きな傷みがある場合は、表面だけを加工しても不具合が再発するおそれがあります。
その場合は、ストリートプリントを施工する前に、路盤補修や打ち換えを検討します。

STEP
1

 排水と舗装の種類を確認する

次に、水はけと舗装の種類を確認します。

  • 排水勾配が確保されているか
  • 水たまりが常態化していないか
  • 排水性・透水性アスファルト舗装ではないか

排水不良がある場合は、先に排水対策が必要です。
また、排水性・透水性アスファルト舗装は、コーティングによって空隙が塞がれる可能性があるため、施工前の確認が必要です。

STEP
2

 交通量と荷重条件を確認する

最後に、施工後にかかる負荷を確認します。

  • 重車両の通行が多くないか
  • 橋やデッキの場合、荷重制限に問題がないか
  • 施工後の利用状況に対して下地が耐えられるか

重車両の通行が多い場所や、荷重制限がある場所では、現地条件に応じた確認が必要です。
条件によっては、施工方法の調整や別工法の検討が必要になる場合があります。

STEP
3

 3つの確認をクリアした場合

路盤・排水・交通条件に大きな問題がなければ、ストリートプリントを適用できる可能性があります。
ただし、最終的な施工可否は、現地調査で既存舗装の状態を確認した上で判断します。

 

よくある質問(Q&A)

再加熱すると傷みが早くなりませんか?

施工時の温度帯は140〜160℃で、アスファルトの物性を大きく損なわない範囲です。施工後はストリートボンドで表面を保護するため、未処理のアスファルトより耐候性が高まる場合があります。

既存舗装の上から施工で段差はできませんか?

ストリートプリントはアスファルト表面を押し込む加工です。新しい舗装材を厚く重ねる工法ではないため、既存舗装との段差は生じにくい構造です。ただし、施工範囲の端部処理は現地条件によって変わります。

排水性アスファルト舗装にも施工できますか?

事前確認が必要です。排水性・透水性アスファルト舗装は、コーティングによって空隙が塞がれることがあります。施工できるかどうかは、舗装の種別や状態を現地で確認して判断します。

夜間施工は可能ですか?

可能です。軽歩行であれば短時間で交通開放できるため、夜間施工や早期交通開放が求められる現場でも検討しやすい工法です。


既存舗装を活かせるかどうかは、表面の見た目だけでなく、路盤・排水・交通条件を含めて判断する必要があります。景観舗装工法の選定・施工に関するご相談は、ストリートプリント日本総代理店のトミナガコーポレーションにお問い合わせください。

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